
クリエイティブ・インクルージョンへの取り組み
横浜みなとみらいホールは、2010 年から、横浜市の盲特別支援学校の生徒を対象としたワークショップを実施するなど、障がいの有無に関わらず、誰もが音楽を楽しむことができる取組みに、注力してきました。
2019年度は、横浜市内全域に展開する音楽フェスティバル「横浜音祭り2019」が開催され、横浜みなとみらいホールはメイン会場として多彩な事業を実施しました。中でもフェスティバル・コンセプトのひとつである「クリエイティブ・インクルージョン」においては特色のある事業を展開しました。
視覚障がいのある演奏者と晴眼の演奏者によるアンサンブルが、会場の照明をすべて消した状態で演奏する「ミュージック・イン・ザ・ダーク」では、演奏者も観客も、会場内の誰もが「何も見えない」状態の中、あらゆる感覚を研ぎ澄ませて音楽を楽しむという未知の体験に、感動の声があがりました。発達障害のある子どもとその保護者を対象とした事業「音と光の動物園」は、「動物の謝肉祭」の演奏とともに、子どもたちが作ったペーパークラフトの動物がアニメーションとなった映像を鑑賞。美術、音楽、映像、デジタルアートなど、広範な芸術と触れ合い、子どもたちの自発性・表現力を引き出す取り組みとなりました。
また、東京藝術大学 COI 拠点とヤマハ株式会社が共同で開発した、指 1 本で伴奏つきの演奏が可能になる楽器「ディスクラヴィア」を活用した「だれでもピアノ」では、前年度、横浜みなとみらいホールで実施した取り組みの新たな展開として、「象の鼻テラス」を会場に楽器を設置し実施しました。横浜開港の地であり、文化観光拠点の一つである空間で、訪れる人だれもが音楽に触れられる機会となりました。
主催
開催日
開催場所
Photo : 10月20日 「だれでもピアノ」の様子/象の鼻テラス ©平舘平